サンテグジュペリの名言散歩

サンテグジュペリは、日本でも「星の王子様」で有名なフランスの作家です。パイロットとして世界中を文字通り飛び回り、多くの文化に触れたサンテグジュペリ。非常に細やかで、独特の世界観があり、数々の名言を残しました。作品だけでなく家族や友人への書簡からも、その世界観は読み取れます。戦時中、敵国軍の中にはサンテグジュペリの作品の愛読者もいて、彼の部隊との戦いを拒んだというほどの影響力があったというサンテグジュペリの作品の魅力は、時代を超えても尚健在です。 こちらでは、そんなサンテグジュペリの残した名言の数々をご紹介します。

数多くの名言を残したサンテグジュペリの生い立ちと功績

 

サンテグジュペリの本名はアントワーヌ・マリー・ジャン=バティスト・ロジェ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine Jean-Baptiste Marie Roger de Saint-Exupéry)で、日本でもアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの通称名で知られています。 パイロットしての仕事を天職とし、危険を顧みず常に前線での勤務を希望し、何度も死からの生還を果たしました。サンテグジュペリの人生は常に生と死がとなり合わせでした。 こちらでは、そんなサンテグジュペリの人となりを作り上げた、彼の生い立ちと功績を見ていきましょう。

幼少期のサンテグジュペリ

1900年6月29日、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリはフランスのリヨンの貴族の家庭に生まれました。4人の兄弟に囲まれ、アントワーヌは幸せな幼少期を過ごすのですが、父の41歳の若さでの急逝により、母アンドレ・マリー・ルイーズ・ボワイエ・ド・フォンスコロンブ(Andrée Marie Louise Boyer de Fonscolombe)との関係性は変わります。5人の子供の中でも、特にアントワーヌを愛していた母は、夫の死によって開いた心の穴を埋めるように、息子の教育にのめり込んでいきました。 このとき母から受けた教育は、その後のサンテグジュペリの人生に大きな影響を与えました。

サンテグジュペリの功績

1926年にデビュー作「飛行士」(原題Aviateur)を出版してから、「(邦題)南方郵便機」(原題Courrier Sud)、「夜間飛行」(原題:Vol de nuit)など、サンテグジュペリは次々に飛行士としての経験を活かした執筆を続けます。1935年サハラ砂漠に不時着し、絶望視されていたものの無事に生還するなど、類まれな生命力と強運の持ち主でした。この時の体験は、後の「星の王子さま」(原題Le Petit Prince)に活かされています。 兵役で陸軍飛行連隊所属したサンテグジュペリは、その後も民間航空機と郵便輸送・試験飛行・偵察飛行などのパイロットとして常に最前線で働きます。ジャーナリストとしての執筆活動では飽き足らず筆を取り続けるのですが、時代は戦時下。アメリカに亡命したものの、母国への愛のためフランス解放空軍に志願し、1943年には偵察隊に着任します。サンテグジュペリは、1944年、任務でフランスのローヌザルプ地方に偵察に向かう途中、飛行機と共に地中海上空で消息を絶ちます。 そんなサンテグジュペリの功績を称えるため、ユーロ導入前のフランスでは、50フラン紙幣の肖像ともなっていました。また、かつて「リヨン・サトラス空港」と呼ばれていたサンテグジュペリの出身地であるリヨンの空港は、有能な飛行士であったサンテグジュペリにちなんで、現在は「リヨン・サン=テグジュペリ国際空港」と呼ばれています。 また、日本ではあまり知られていませんが、サンテグジュペリは発明家や数学者としても知見があり、様々な功績を残しました。

サンテグジュペリの残した名言

スイスで文学を学び、絵画の手ほどきも受けた感性豊かなサンテグジュペリの書く文章は、心の琴線に触れる、人間の本質を突く表現が数多く見受けられます。また、男性でありながらも、細やかな表現は、母の愛に溢れた教育を受けたサンテグジュペリならでは。世界中を旅し、何度も死の淵から這い上がってきた彼の体験は、それと対をなし、サンテグジュペリの残した数々の文章からそのコントラストを見て取ることができます。 そんなサンテグジュペリの残した名言の数々を、こちらでご紹介していきましょう。現代の私たちの心に刺さる、彼の超人類的な達観した世界観は、私たちの人生を見直すきっかけともなるでしょう。 尚、こちらでご紹介する日本語は筆者が原文より翻訳した文であるため、日本で出版されている書籍や他の出典と若干異なることがあるかもしれませんが、ご了承ください。

  • On ne voit bien qu'avec le coeur. L'essentiel est invisible pour les yeux.

「心でしか物事はよく見えない。本質は目に見えないんだよ。」 見えるものだけでわかったような気になっても、物事の本質は実は目に見えない・・・。まさに人間の本質を突くような鋭い言葉です。 星の王子様の中で、初めて友達になったキツネとの別れの場面でキツネが王子様に言うセリフです。小さな王子様が何度も繰り返したように、私たちも何度も繰り返してみましょう。繰り返すたびに、深みが増す言葉です。  

  • C’est le temps que tu as perdu pour ta rose qui fait ta rose si importante.

「きみがバラのために時間をかけた分だけ、バラはきみにとって大切になる。」 手を掛ければ掛けるほど、時間をかければかけるほど、それはあなたにとって大切なものとなります。 大切であるかどうかは、あなた次第。本当に大切な物を見極めてください。

  • Etre homme, c'est précisément être responsable. C'est sentir, en posant sa pierre, que l'on contribue à bâtir le monde.

「人間であるということは、まさに責任を持つということである。それは一つの石を置いたときに、世界を造っているのだと感じることである。」 もし「こんなこと、いったい何の役に立つんだろう?」と思いながらしていることがあったら、この言葉を思い出してください。あなたの積み重ねるひとつひとつが、世界を造ることに貢献しているのです。

  • Aimer, ce n'est pas se regarder l'un l'autre, c'est regarder ensemble dans la même direction.

「愛すること、それは見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見ることである。」 恋人や配偶者だけでなく、家族間でも「自分だけを見ていて欲しい」という要求にかられることはあります。しかし、サンテグジュペリのように同じ方向を見て生きていけば、そういった内向きな愛の危険要素はなくなります。外に目を向け、共に目標に向けて前進できる関係がいいですね。

  • Le véritable enseignement n'est point de te parler mais de te conduire.

「本当の教えとは、君に話すことではなく、導くことだ。」 聞くことと聴くことは違います。正しい方へ導くところまでして、初めて「正しいことを教えた」と言えるのです。一方的に話すだけでなく、正しい道を示すことは、相手を思いやる気持ちがあってこそ。押し付けでなく、何が相手のためになるのか、よく考えるようにしたいものです。

  • Fais de ta vie un rêve, et d'un rêve, une réalité.

「人生を夢にして、夢を現実にしなさい」 「あなたの夢はなんですか?」と聞かれて、すぐに答えられますか?人生そのものを夢にして、実現するべく努力すれば、きっと夢はかないます。自分の人生は、自分で築き挙げるものなのです。

  • On n’est jamais content là où on est.

「自分のいるところはいつも不満があるものだ。」 今の家は不満だ、家族が不満だ、配偶者が不満だ、仕事が不満だ、上司が不満だ・・・不満は留まることを知りません。隣の芝は青く見えるもの。離れてみて、初めて自分のいた場所が良かったことに気づくようになっても、遅すぎます。 不満を言う前に、もう一度自分がどれだけ恵まれているのか、確認してみましょう。

  • Le langage est source de malentendus.

「言葉は誤解の元」 コミュニケーションに役立つはずの言葉が、実は誤解の原因にもなってしまう・・・。信じられないかもしれませんが、真実でもあります。日頃から丁寧にコミュニケーションをはかるようにしないと、期せずして誤解を招くことになりかねません。

まとめ

 

力強さの中にも優しさと意志の強さを感じられる名言の数々は、21世紀を生きる私たちの心も揺さぶります。読む人ひとりひとりの心に寄り添うサンテグジュペリの言葉は、私たちが忘れていたものを思い出させてくれます。 辛い時、落ち込んだ時、そっと優しく支えてくれる言葉、それがまさにサンテグジュペリの言葉が名言たる所以です。

 

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